DICOMO参加報告DICOMO Symposium Report

7/4 – 7/6の期間、石川県は加賀山代温泉でDICOMO2012シンポジウムが開催されました。

http://www.dicomo.org/2012/

情報基盤システム学研究室からは学生3名が発表してきたので報告したいと思います。

<全体概要>
3日間に渡り、総発表件数318件もの研究発表が8セッション並行で消化されていきました。内容的には「マルチメディア、分散、協調とモバイル」とあるように
通信系からアプリケーション、セキュリティまで幅広い内容でした。
また、通常の研究発表だけでなく、企業によるデモ/ポスター展示があったり、アウトドアセッションと称して、「自由に外を散策して温泉でも入ってきて下さ いね(温泉券付き)」という時間があったり、ナイトテクニカルセッションと呼ばれる和太鼓の演奏+ネタに走った発表も充実していたりとすごく面白かったで す。

以下、発表者3名の感想等です。

——
各部屋の人の入り具合を見ていると、ライフログ等のよりユーザに近いレイヤの発表に人が集まり、
通信の仕組みそのものの話より、現実社会に直接的に関与する応用システムのほうにより興味が集まってるのかと思われました。
逆に「ネットワーク運用」、「データセンタ」、「トラフィックエンジニアリング」といったセッションでは
人の入りこそ少ないものの企業の方が多く、実際の現場で使えそうかどうかを念頭に置いた質疑応答が為されており、ためになりました。
自身の研究に関連するところとしては、「リソースの需要予測の失敗を前提とするクラウド運用管理システム」という題目で日立の方が発表していましたが、
需要予測のための指標としてCPU/メモリ使用量のみを用い、予測式に関しても誤差平均のみを考慮した単純なもの、マイグレーションによるダウンタイムは
考慮しておらず、VMを他所に移す最適なタイミングについてもこれから、という感じで直接自身の研究に応用できそうな部分はありませんでした。
ドコモの方のポスター発表含め、少しは役に立ちそうな情報は得られましたが、
本音を言えば、もっと直接的に研究の進展に寄与する情報を得たかったところです。
## 温泉、ご飯、ナイトセッション等は最高でした^^

DSC001351
<by Masashi HASHIMOTO>

——
M2の石井です.私は今回のDICOMOの様に,多彩な分野の研究発表,でも展示が行われるシンポジウムに参加したのは初めてでした.同世代の学生と企業の研究者の方々,大学教員など様々な方の発表,お話を聞き刺激を受けました.

私の研究内容はセキュリティ,なかでも暗号について割と理論的なところに取り組んでいます.今回のシンポジウムでも,セキュリティ分野の研究発表は 盛んでした.初日には,招待講演において我らが猪俣先生によるIT-Keysプログラムの取り組み,成果発表が行われ,IT-Keys受講生として身が引 き締まる思いでした.質疑では,セキュリティ教育の専門的でテクニカルな部分とは別のところの指導,例えば法律や対人間の折衝などに話が及び,セキュリ ティスペシャリスト育成の難しさを再認識しました.

その他,マルウェア解析,認証,秘匿通信,などネットワークセキュリティに関わる幅広い研究発表がなされ,分散処理などの分野でもセキュアなところに注目している研究もあり楽しかったです.

デモセッションでは,IDベース暗号の実装のデモ発表があり,ペアリング暗号について取り組んでいる自分としては,実際にサービスとして動いている様を見ることができ,大変面白く説明を聞かせて頂きました.今後,研究ではペアリングのためのより良い曲線を探したいです^^

DSC000532

DSC2002422
<by Masahiro ISHII>

——
DICOMOではセンサデータ処理やP2P,トラフィックエンジニアリング関連のセッションを中心に参加しました.センサデータ処理関連では,WSNや電 力消費に関する研究が多い印象です.シンポジウム全体を通して,近い世代から企業の第一線で活躍している方々まで幅広い層の方と意見を交わすことができ良 い刺激となりました.

自身の発表は,”統一テーマ スマートインフラ”というある意味何でもありのセッションで行いました.今回の発表では提案〜考察にかけてを重視し説明を行ったのですが,質疑応答では背 景や前提の部分に対する指摘が多く見られました.学会での発表は研究室内でプレゼンテーションを行うのとは違い,聴衆は必ずしも自らの研究に詳しい方々ば かりではないため,状況に応じて研究背景の共有から丁寧に行う必要があるということが反省点となりました.

招待講演ではネットワークシミュレーターの開発に携わっている方の講演を伺い,既存のシミュレータの歴史や特徴,存在するバグ,シミュレータの動向 についての学ぶことができました.今後のネットワークシミュレータはネットワークに関する情報を扱うだけでなく,地図の情報を取り入れ電波の遮蔽物を再現 することや,モバイル端末の電力消費を考慮することなど,周辺環境情報を取り入れる方向で開発が行われているらしいです.

最後に,DICOMOでは様々な研究分野のセッションがあり,宿泊は身内以外の方々と共同部屋であるため,研究の知見を深めるのはもちろんのことな がら異分野で研究に励む方々と友人となることができます.また,温泉地でおいしいご飯を食べられ,夜にはテクニカルナイトセッションという楽しい催しもあ ります.後輩の皆様にはぜひ来年のDICOMOに参加することをお勧めします;-)

DSC001041
<by Tatsuya FUKUI>