インタビュー

Naohiro Washio

博士前期課程鷲尾 直大

私は、自動車運転の安全化・効率化を目的として世界各国で標準化が進められている高度交通システムに関する研究を行っています。以前私は、カーナビゲーションシステムの渋滞情報を取得できない小規模な道路で交通渋滞に巻き込まれたことがありました。

このような状況において、渋滞のない対向車線の車両は、自車両の目的地までの道路状況を把握している可能性が高いことに関心を持ち、車両間のすれ違い通信を用いたリアルタイムな情報共有システムの構築を目指しました。

しかしながら、走行する車両同士がすれ違う時間は極めて短いため、車両間の通信では効率的に通信帯域を利用する必要があります。そこで、周辺車両との協調を行うために、走行軌跡を基にした車両のクラスタリング手法を提案し、現在はシミュレーション及び実機実験で検証を行っています。提案手法を利用することによって、交通渋滞の緩和等による快適な自動車社会が実現すると考えられます。

Takuya Goshima

博士前期課程五島 卓哉

サーバなどネットワークを構成する機器に対して、攻撃を中継する複数ノードでパケットを増幅させて送信する事で効率的に高負荷に陥れ、サービスの提供を妨害するDistributed Reflective Denial of Service(DRDoS)攻撃の一種としてDomain Name System(DNS)を使用したDNS amplification攻撃が挙げられる。

これは攻撃者が複数のDNSにアクセスし、各DNSから攻撃対象者に対してパケットを送信させる攻撃である。DNSにはリクエストに用いられるパケットに比べ数十倍のパケット量を返答する性質があるため、攻撃者はIPアドレスを攻撃対象者のIPアドレスに偽装して名前解決を行う事で、効率的に攻撃対象者に大量のパケットを送信する事が可能となる。

これに対し、私は攻撃パケットから攻撃者をトレースバックする事で探知する手法について研究を行なっている。

TMehnaz Seraj

博士前期課程Mehnaz Seraj

QoS provisioning is becoming important in MANET to support multimedia applications such as VoIP and video. In this context, path selection plays a significant role. For this purpose, routing protocols, algorithms and metrics have been developed to enhance MANET performance. By growing the use of real-time application on mobile devices, there is a constant challenge to provide reliable and high quality routing algorithm among these devices.

We propose a new mechanism to establish stable paths between all pairs of nodes in MANET. The classical routing strategies mainly focus on minimizing the number of hops in a path. A number of routing algorithms have been proposed as extensions to the basic MANET routing algorithms to enhance their performance focusing on location, energy consumption, mobility, bandwidth utilization etc. Considering the dynamic topology and characteristics of MANET, we can say that any uni-metric path selection algorithm is not reliable.

We introduce a heterogeneous/ multi-metric routing technique which will deal with some major issues of MANET. We propose two parameters: Link_Quality and Link_Durability which are computed by considering interference, load, time distance, remaining energy and node availability. Forwarding decision by the intermediate nodes while searching for a new path will be taken depending on the parameters values. In addition, we introduce a novel intelligent mobile ad hoc network routing system which is adaptable to the variations in the MANET context as the intelligent module selects important parameters which indicate the changes in the network context. This intelligent system acquires the network's performance and then selects the optimum routing protocol that gives the best performance according to network context, such as: mobility of nodes, interference, traffic load etc.

Yoshihiro Ryugo

博士前期課程立古 佳大

私は、災害時に効率的に情報を伝達するメッセージフェリーの運用方法について研究しています。大規模な災害が発生すると、救助活動や安否確認のために通信の需要が発生するにもかかわらず、インフラの損壊によって通信が困難になってしまう事態が想定されます。

そこで、インフラに依存しない通信手段として無人の航空機などをフェリーとして巡回させて情報を中継させる方法が注目されていますが、フェリーの飛行可能時間の制約や通信の遅延、フェリーと目的端末との遭遇確率などの課題が考えられます。

こうした課題を解決するため、フェリーの移動経路や複数のフェリーでの連携などの運用方法を検討し、より効率的に多くの情報をやりとりできる方法を研究しています。こうした方法により災害現場での情報共有手段を改善することによって、救助活動や安否確認をより円滑にし、災害による被害の軽減を実現したいと考えています。

Takuya Okamoto

博士前期課程岡本 拓也

2020年のオリンピックに向けて、超高精細な映像を視聴できるようになることが期待されており、2014年のワールドカップの映像の試験放送も行われ、4k映像を一般家庭で視聴できる環境が整いつつあります。

しかし、非圧縮映像をリアルタイムに送信する場合、4k映像では6.4Gbps、8k映像では24Gbpsの帯域を必要とし、4k映像の場合、一般に普及している10Gbpsの回線では、帯域を大きく圧迫してしまいます。一般の回線を利用した場合にも帯域を圧迫することなく伝送する技術として、映像の圧縮が考えられますが、映像をリアルタイムに送信する場合、映像の遅延や、映像の欠落などの問題から、非圧縮映像の伝送が好まれます。

そこで、そのような大きなパケットを伝送するルーティング手法を考えることで、映像を圧縮することなく映像を伝送したいと考えています。将来、一般回線を利用した4k映像の伝送が実現すると、より快適なテレビ環境が構築できるようになるのではないでしょうか。