受験生のためのQ&A

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私達の研究室は,インターネットに関する研究を広く行っています.特に,ユビキタスコンピューティング情報セキュリティネットワーク運用技術に関する研究に取り組んでいます.

ユビキタスコンピューティングの分野では,スマートシティ交通ビッグデータ解析の研究を行っています.私達の研究室では,路線バスに小型コンピュータを載せて街中のセンシングする基盤システムを構築し,24時間365日センシングデータを収集しています.これを研究データとして活用することで,未来のバスの乗客数・到着時間をDeep Learning(深層学習)で予測したり,運転者の危険な運転を評価する研究等を行っています.

情報セキュリティの分野では,過去に自動車セキュリティブラウザ・Webセキュリティネットワークセキュリティの研究例があります.自動車セキュリティの研究では,自動車内の制御ネットワークへの攻撃検知システム・アルゴリズムについて研究したり,既存の攻撃検知システムの検知をすり抜けて攻撃する方法等を研究しています.ブラウザ・Webセキュリティの分野では,XSS (Client-Side XSS, DOM-Based XSS) に対する防御方法について研究していました.ネットワークセキュリティの分野では,ウィルス・マルウェアの悪性通信を機械学習等で効率的に検知する方法を研究しています.

ネットワーク運用技術の分野では,ネットワーク・サーバの運用コストの削減,サービス安定性の確保,情報セキュリティの維持の実現に向けて研究しています.近年では,インターネットサービスを提供するインフラも多様化し,ネットワーク,ハードウェア,オペレーティングシステム,ミドルウェア,アプリケーションが仮想化され,複雑化・大規模化してきています.これらのインフラを安全に運用していくため,ネットワークアーキテクチャ,認証基盤.クラウド基盤,監視モニタリング,セキュリティをターゲットに研究しています.

修了生は,国内メーカー,IT系,SIer,テレビ業界,自動車関連企業,コンサルティングファーム等,様々な企業で活躍しています.

博士前期課程の就職先例
24卒:NRIセキュアテクノロジーズ, Yappli
23卒:Microsoft, Amazon Web Services, Deloitte Touche Tohmatsu
22卒:Yahoo Japan, 日立製作所, NTT研究所
21卒:関西テレビ, 三井E&Sマシナリー
20卒:Sony
19卒:野村総合研究所, 住友電気工業, NTT Communications, リクルート
18卒:野村総合研究所, LAC, NTTデータ

博士後期課程の就職先例
Google Japan, Amazon Web Services, NTT R&D, ジェイテクト, 東京工業大学(助教)

比較的少人数の研究室であるため,日々のコミュニケーションは盛んな方です.毎日ではありませんが,先生が学生部屋に来て雑談することもよくあります.学生間でも,技術に関する知識の共有や研究についての相談等も日々雑談のついでに繰り広げられることが多いです.また,カメラ・VRヘッドセット・Go Pro等もあるので,研究の合間でそれらで遊んだりする人もいます.

もちろん,集中して作業・研究したい人やオンラインミーティングしたい人向けに防音室も完備しているので,そちらも活用することができます.
学生室

研究を遂行する過程で様々なことが学べます.例えば,研究を始めるにあたって,サーバを構築したり,データ収集のためのシステムを設計・実装する能力が付きます.もちろん,研究を行う過程で,英語論文を読む能力であったり,プログラミングスキルも得ることが可能です.得ることができるプログラミングスキルは研究テーマに依存しますが,例を挙げると,データ処理・機械学習モデルの実装のためにPythonやその周辺ライブラリに関する能力であったり,ブラウザ・JavaScriptエンジンへ機能追加する過程でC++に関する実装能力を得ることができます.

また,私達の研究室では,自分達が使うネットワークを自前で構築・運用・監視しており,日々のトラブルシューティングで実務に近い運用能力も鍛えることができます.さらに,研究室の教員は総合情報基盤センターと呼ばれるNAISTの全ネットワークを構築・運用・監視する組織の一員でもあるため,実際の運用のノウハウもたくさん学ぶことが可能です.

各々の学生が入学後1年以内で,自分の興味に沿った最新の論文の調査を行い,個別の研究テーマを見つけ出します.もちろん,研究テーマを見つけることは容易なことではないため,多くの学生は教員と議論を重ねることで研究テーマを決定します.また,入試の小論文の研究テーマが修士論文の研究にふさわしいレベルである方は,そのまま小論文の研究テーマで研究を遂行する人もいます.

主に週2回のミーティングの中で,研究を進めていきます.週2回のミーティングは,調査した論文の内容を報告する論文輪講と,研究の進捗状況や自身の提案手法の実装状況等を報告する進捗報告が実施されます.論文輪講は,各自の興味のある分野の重要な論文等を紹介し合い,この論文のアイデアがどのような思考パターンで形成されたのか,この論文の弱点や限界となる点あるいは優れた点を質問し議論します.質問することは必須ではありませんが,誰でも質問しやすくなるような議論を心がけていますので自然と質問が飛び交うようなミーティングを行なっています.進捗報告では,各自考えている研究テーマについて議論したり,実装の問題点について解決するための議論を行います.

また,企業との共同研究も行なわれており,みなと観光バス株式会社,日立造船株式会社といった企業と研究を行っています.これらの共同研究先の企業と合同でデータ収集のためのフィールドワークを行い,そこで得られた実環境のデータを研究で活用します.

比較的少人数の研究室であるため,1人1人に個別の席が決められており,使用できるデスクも他の研究室と比較しても広めです(椅子は全てアーロンチェアなので,とても快適です!).PCに関しては,1人1台MacBookが貸与されるので,追加でPC等を購入する必要はありません.また,ディスプレイ(27inch)×2等も1人で使用できます.また,その他の研究で必要になりそうな物品は,教員と相談して購入することも可能です.

コアタイムはありません.基本的に,週2回のミーティングの時間以外は,各自好きなように過ごす事ができます.