路線バスにおいてバス到着時刻を予測することは,利用者にもバス運行会社にもメリットがあります. 既存のバス到着時刻予測の研究では走行時間や停車時間といったバス運行データを利用した予測を前提としていますが,バス運行データの計測では頻繁にデータの欠損が発生します. そのため,既存研究では欠損したバス運行データをLast observation carried forward(LOCF)といった単純な手法で補完していました. 一方,バス到着時刻予測と近い研究分野である渋滞予測の分野では,データの特徴に着目した欠損値補間手法を適用することで予測誤差が減少したと報告されました. そこで本研究では,バス運行データの特徴に着目した欠損値補完方法に着目し,バス到着時刻予測の誤差削減を目指します.
路線バスは毎日同じ経路を同じ時間に走行するため,走行時間や停車時間に一日ごとの周期性(日周期性)があると期待できます. 本研究では日周期性を反映した欠損値補完手法(パターン補完)などを実際の路線バスのデータに適用し,バス到着時刻の予測誤差がどのように変化するかを分析しています.
研究実績
- Takumi Niwa, Ismail Arai, Arata Endo, Masatoshi Kakiuchi, Kazutoshi Fujikawa, “Improving Bus Arrival Time Prediction Accuracy with Daily Periodic Based Transportation Data Imputation,” IEEE International Conference on Smart Mobility (SM) (SM'2023), Mar. 2023.